進学お悩み相談室

進学お悩みQ&A

A1 :

まず、次の5つのポイントを自分なりに整理してみましょう。

  1. 志望のきっかけ
  2. 自分の何がその分野に向いているのか
  3. そこで何を学びたいのか
  4. そこではどんな知識や技能が身に付き、どんな資格が取得できるのか
  5. 将来どのような職業に就けるのか。

上記の作業をするだけでも、それぞれの学校を具体的に確認することができるし、必要ならば進学先を見直すということも考えられます。その上で、ご家族と納得いくまで話し合いをしてみましょう。
ただ、ここで注意してほしいのは、漠然とした気持ちで大学進学を選んでしまうケースです。とくに昨今、比較的入学しやすいといわれる私立文系大学では、就職率の低下や、就職をしても早期退職してしまうなどの雇用のミスマッチが指摘されています。その理由は、大学進学者が増えるなかで、卒業後の受け皿である就職先の求人数が少ないことや、十分な就職対策をせずに就職先を決めてしまったことが考えられます。もっと言えば、高校卒業後の進路を考えるときに十分な検討がされなかったとも言えるでしょう。そうならないためにも「とりあえず大学進学」という選択は避け、自分は何を勉強して将来どうなりたいかを明確にし、積極的に自らが選び取った進学をしたいものです。

A2 :

多くの専門学校の場合、「専門学校○○」「○○専門学校」のように、学校名の前後に「専門学校」の名称を使用していることが多く、専門学校であることが分かります。ただし、専門学校制度ができる以前からの名称を使っている伝統校などでは「専門学校」とつかない場合もありますし、比較的新しい学校でもそのようなケースがありますので、きちんと調べてください。
専門学校のガイドブックやインターネットの専門学校検索サイトの中には、専門学校ではない「専門校」とか「スクール」といった教育施設が専門学校と同じように扱われていることがよくあります。これは専門学校と同じような学科を設置しているためですが、学校選びの際は十分な注意が必要です。
私立の専門学校は都道府県知事の認可を受けて設置され、認可を受けていない学校が「専門学校」と名乗ることは禁止されています。認可校と無認可の教育施設の違いは、例えば認可校ではJRや私鉄での通学定期に学割が適用されますが、無認可では適用されません。また、認可校は日本学生支援機構や自治体の奨学金を受けることができますが、無認可は奨学金の対象ではありません。
入学後に「こんなはずじゃなかった」と思わないためにも、よく見極めて専門学校選びを行うことが大切です。

A3 :

「心配ない」と一概には言えませんが、どこの専門学校も就職指導には最大限の力を注いでいます。それぞれが特定の分野に特化した職業教育を行い、業界が求めるスキルを身に付けた人材を育てています。そして、きめ細かな就職サポートにより就職先を決めた先輩たちが大勢います。できれば進学を考えている専門学校の教員や在学生、卒業生に会って、具体的な話が聞けるといいですね。
また就職活動について言えば、大学と専門学校では、その方法が少し違います。現在、大半の大学生は就活サイトに登録後、ネット上でエントリーをして活動をします。専門学校生も就職サイトを活用して就職活動をする人もいますが、学校に寄せられた求人票の中から自分に合った企業や事業所を選んで、採用試験を受けるといったケースの方が主流です。求人側が学校のことをよく理解している、もしくはすでに先輩たちがその企業に就職して活躍しているといった実績があるので、求人票が寄せられてきます。中には企業が学校まで足を運んで採用試験や面接を行うケースもあります。それができるのは、企業からの「この学校で勉強した学生なら大丈夫」という信頼があるからこそです。このように「就職に強い専門学校」は、企業との絶対的な信頼関係の上に成り立っています。専門学校選びの際は、どのような企業と繋がりがあるのか、先輩たちの就職実績をきちんとチェックしておきましょう。

A4 :

すぐにでも就職して実務に就きたいという気持ちと同時に、専門的な勉強をしていなくて大丈夫だろうかという不安もあると思います。
介護系施設に高校卒業で就職する場合と、専門学校で勉強してから就職する違いは何でしょうか。まず、すぐに就職をした場合は、働いたその月からお給料を受け取ることができますし、介護の実務を3年経験すれば介護福祉士の国家試験を受験することが可能です。資格を取得すればそれなりにお給料もアップするでしょう。
一方、国から養成施設の指定を受けた介護系専門学校に進学した場合は、2年間勉強すれば、卒業と同時に介護福祉士の国家資格を取得できます(平成27年度入学者からは卒業時に国家試験を受験します)。就職するときに資格を持っていれば有利なことは言うまでもありません。そして専門学校では専門教員のサポートを受けながら、多くの施設から自分に合った就職先を選ぶことができるでしょう。また、学びを通じて介護観を養うとともに、一緒に学ぶ仲間との触れ合いを通して成長することも期待できます。
でも進学するにはそのための時間と経費が必要になります。就職か進学かで悩んだら、実際に介護施設の職場見学をしたり、介護系専門学校のオープンキャンパスや体験入学にも参加してみましょう。そこで働く人や先輩たちのアドバイスを受けて判断できるといいですね。

A5 :

オープンキャンパスでは学校説明会、学校見学、模擬授業、模擬実習、個別相談会などのメニューが用意されています。カリキュラム、納付金、施設・設備、通学時間、学校周辺の環境、学科の特徴、就職先や就職サポート、どんな先輩が活躍しているかなどは、必須チェック項目です。
とくに確認しておきたいこと、例えば自動車整備の専門学校なら、実際に実習で扱う車両が特定の自動車メーカーか、複数のメーカーか、あるいは外車が扱えるかなどの違いがあるでしょう。ファッション系専門学校ならば、どのような製作課題があるのか、調理系専門学校ならば、専門料理を学ぶのか、オールマイティに学ぶのかなど、志望する分野に応じてチェックポイントをいくつか立てておくといいですね。
また、同じ分野でもキャンパスが広く多くの学生が通学する大規模校もあれば、少人数で学べることをアピールしている学校もあります。一概にどちらがいいとは言い切れず、どんな環境で勉強したいのか、どんな規模の学校が自分に合っているかなどを考える必要があります。
多くの専門学校のオープンキャンパスでは、教員のほかに在校生たちが参加者のサポートを行っています。皆さんにとって、いちばん身近な先輩ですから、聞きたいことがあれば、どんどん質問してみましょう。