「学生生活の現状に関するアンケート」結果

 今回のアンケートでは様々な背景の方からそれぞれの状況について7,000件を超える回答いただきました。多くの専修学校・各種学校の学生が生活や学業継続への不安を抱えており、困窮しているのは特別な事情を持つ一部の学生だけではありません。 新型コロナウイルス感染症の影響は今後も続きますが、少しでも安全・安心な学生生活を送っていただけるような環境を提供し、またそのような施策の実現を行政機関に働きかけたいと考えています。全体版と集計データは6月15日に協会の会員向けHP「一般配付資料」で公開しています。

【調査の概要】

 調査の目的:

新型コロナウイルス感染症が学生の生活・学業に与える影響を調査し、学校運営と学生に対する支援の一助とする。また、行政支援要請の根拠となる資料とする。

 調査の方法:

会員校に対してメールで学生への周知を依頼した。WEBからの回答と合わせて解答用紙を協会HPで公開したが、郵送・FAXによる回答は無く、すべてWEB経由の回答であった。

 対象者:協会会員校の学生(専修学校306校 175,697名 各種学校28校 12,668名 在籍者計 188,365名)

 調査期間:2020年5月26日(火)~ 6月10日(水)

 回答数:7,012名

コロナ禍は生活・学業に大きく影響

 世界的な広がりを見せる新型コロナウイルス感染症の影響は専修・各種学校で学ぶ学生も95%の学生が「大いに感じる」「少し感じる」と回答しており、影響は甚大です。経済的な打撃は学生生活への影響は現在だけでなく将来の就職にも大きく関わってきます。

休校中は遠隔授業や課題レポートで対応も授業理解に不安

 東京都による休校要請期間中、各校はe-leaning課題レポートを課すなど学業の継続に努めてきました。現在も6割を超す学校が遠隔授業を実施する中、社会への即戦力を養成する職業教育機関として、欠かすことのできない実習や資格検定の取得が進まず、不安を抱えている状態です。

学生の多くが経済的な支援を要望

 最後のコメントにも見られるように、社会人学生や委託訓練生なども経済的に厳しい状況に置かれていることは同様であるにもかかわらず現状の支援策が及ばないことは問題です。学生が経済的な事情で学業を断念することが無いよう広範囲な支援策が望まれます。

  

【新型コロナウイルスの影響】
新型コロナウイルスの影響

【学校の授業実施の状況】
(6/10 現在 回答:166校)
学校の授業実施の状況

  

質問項目と回答者の属性

 質問は「現在の生活について」「新型コロナウイルス感染症の影響」「授業状況について」の3項目にそれぞれ5、6問の設問を設けました。回答いただいた学生の所属は「工業」(23.9%)「衛生」(23.6%)「文化教養」(22.8%)で7割を占め、「教育社会福祉」(14.6%)、「医療」(11.2%)と続きます。都内学校数・学生数の構成比に対して、工業分野、衛生分野の学生から多くの回答を得ています。分野の詳細で見ると「理容・美容」分野からの回答が1,173件で最多となっています。また、回答者の96%が昼間部に在籍する学生です。学年は1年生の回答が3,186件で5割を占め、続いて2年生が4割、3、4年生からは合わせて1割の回答でした。

1.現在の生活について

 この項目では現在の住居の形態、収入の手段やアルバイトの現状、生活費・学費におけるアルバイト収入の割合など質問しています。また奨学金の利用状況や奨学金の種類も聞いています。

自宅通学者は70%

 約7割が「自宅」の回答でした。「アパート・マンション」に一人暮らしのほか、10%を占める「その他」の中では、新型コロナウイルス感染症の影響を反映して「学生寮だったが実家に戻った」「母国に帰っている」などの回答がありました。

アルバイトをしているが48%、アルバイトしたいが28%(計76%)

 右のグラフの通り48%が「アルバイトをしている」と回答しています。コロナの影響で「アルバイトをしていたがなくなった」「アルバイトをしたいが見つからない」を合わせると7割を超えています。アルバイト収入の使い道として、自宅通学者で生活費が1位を占める割合は3割弱ですが、「自宅以外」の支出は6割以上が「生活費」を1位としています。自宅外の学生はアルバイト収入が生活を支えているため、現在収入手段が絶たれている学生の状況は深刻です。

【アルバイトの実施状況】
アルバイトの実施状況

【アルバイト収入の使い道:自宅通学者】
アルバイト収入の使い道:自宅通学者

【アルバイト収入の使い道:自宅通学者以外】
アルバイト収入の使い道:自宅通学者以外

奨学金を受給しているが34%、これから利用したいが12%(計46%)

 現在奨学金を「利用している」学生は3,735名で34.4%を占め、回答のあった学生の3人に1人が何らかの奨学金を利用しています。「これから利用したい」と回答した学生も807名で11.6%となり、半数に近い学生が奨学金等による支援を得ていたり、希望していることがわかりました。利用している回答者のほとんどが「日本学生支援機構」の奨学金を利用しています。そのほか行政機関や修学支援制度、教育ローンを利用しており、複数の制度を利用しているケースも目立ちます。

2.新型コロナウイルス感染症の影響

 新型コロナウイルス感染症がどのような影響を与えているかを生活面、学業面からそれぞれ質問しています。不安に感じていること、学生生活を続ける上で必要とする支援に関しても質問しました。

【生活面での影響】 (複数回答) 
生活面での影響

【学業面での影響】(複数回答)
学業面での影響

学業面・生活面での影響と困難に感じていること

 それぞれ複数回答で生活面・学業面での影響を質問したところ、生活面では「友人と会うことができない」「趣味や娯楽を楽しめない」など日常の生活を楽しめないことが多く、学業面では「授業が進まない」「実習ができない」などが上位に上がりました。「そのほか」の項目にも様々な事情を回答いただきました。

【困難や不安に感じていること】(3つまで)
困難や不安に感じていること困難や不安に感じていること_sp

【必要に感じている支援】(3つまで)
必要に感じている支援必要に感じている支援_sp

 回答者の6割弱が「学費減免」、4割が「生活費の援助」を希望しており、多くの学生が経済的な支援を優先して望んでいます。継続的な学びのためには広範囲の経済援助が必要です。

3.授業の状況について

 5月25日時点での授業の状況や授業内容を質問しています。特にオンライン授業などの遠隔授業、自宅学習で問題と感じていることを質問しました。

休校中の状況

 「課題レポートがあった」との回答が一番多く、4,498件でした。e-leaningによる授業は2,370件でそのうち61%が「リアルタイムによるオンライン授業」でした。「特に何もしていない」という回答も556件ありました。

自宅学習の環境と問題点

 授業を受けている方のほとんどが必要な環境を「自費で整えた」と回答しており、学校から何らかの支援を受けているのは回答者の17%に止まっています。自宅学習について「自分のペースで勉強できるので快適である」という回答が最多となっていますが、規則的な学習習慣を継続することの困難や通信環境の不備など、学習環境が理解に大きく左右されることがうかがえます。6月10日時点で6割以上の学校が遠隔授業を実施しており自宅学習のための早急な環境整備が望まれます。

【自宅学習について】(複数回答)
自宅学習について自宅学習について_sp

4.自由記述

 *2,000件を超えるコメントから,主要な意見を抜粋しました

現在困っていること・不安に感じてること

  • アルバイト収入が減り生活費も学費も払えるか不安。
  • 2年間しかないのにさらに学校に行ける期間が減り、学ぶ内容が削減されないか心配。
  • 進路相談ができず、資格取得もなかなかできない。
  • 実習が受けられず、このまま就職し社会に出て仕事をするのが不安。
  • 就活が進まなく、選考途中の企業も採用活動を休止しているため、将来がとても心配。
  • オンライン授業で画面を見過ぎて気分が悪くなった。
  • 誰もがネット環境がきちんと整っている前提で話をしないで欲しい。
  • 今後授業日数やコマ数が増えるのであれば今のアルバイトは続けられない。
  • 都内に引っ越しできず家賃だけ引き落としされている。いつ引っ越していいのかわからない。
  • 電波の状況が悪くオンライン授業に集中できない。点検をお願いしたが、要望が殺到しているらしくいつまで経っても見てもらえない。
  • テレビでは小中学校、大学等のリモート授業などが報道されていますが、専門学校についての情報が全然入ってこない。
  • 社会人学生に対する救済措置がなく、状況があまりに厳しすぎる。
  • 耳の聞こえない人に対して情報を保障して欲しい。

国への要望

  • 現金支給を急いでほしい。
  • 生活費の援助か学費の減免をいち早くして欲しい。
  • 奨学金を借りているがアルバイトが減少し学費の工面が難しい。医療関係や実習の多い学校に通う学生は授業料以外にも大きなお金がかかることが多く、給付金の幅を増やして欲しい。
  • 親の収入が激減したため給付金10万円が1円ももらえず、アルバイトもほとんどできていないため自分の生活費がない。学生個人への給付金があるとありがたい。
  • 学生支援給付金の申請が複雑でわかりにくく、お金に困っていても申請しづらい。
  • 滞在しているだけでお金がかかる留学生への補助金を出来るだけ早く充実させて欲しい。
  • 奨学金制度をコロナの為に新たに作って欲しい。専門学校も大学と同じ扱いにして欲しい。
  • 学生に差別なく支援金の給付を求めます。条件を付けて一部の学生のみを支援するのはこちら側からしたら全く”支援している”とは言い難い状態です。アルバイトをしたいが見つからず支援金が給付される条件にないため給付金を受け取れない。
  • アルバイトがなく奨学金を支払うことが出来ないのに、第二種奨学金だから給付金の対象ではないと言われてしまった。
  • 国家試験が心配。基準を下げるか日程を遅らせて欲しい。
  • 通学で満員電車に乗るのが不安。電車内の混雑の緩和をして欲しい。
  • 職業訓練の委託生として通っている人にも学生給付金が欲しいです。

学校への要望

  • 授業料の納付期間を延ばして欲しい。
  • アルバイトが見つからず生活苦で一年休学か退学し、再び学費を貯めてから入学しようかと悩んでいる。学費の援助か免除を望む。
  • オンライン授業を受けているが実技もできず通信費は自己負担なのに学費が変わらないのは納得できない。
  • ウイルスに感染する、感染させる不安があるので、臨床実習は学内で取り組んで欲しい。
  • 教科によりオンライン授業のレベルに差があった。
  • オンライン授業においてスマホやタブレットなどの小さい画面はとても疲れた。機器の貸し出しなどをしていただきたい。
  • こういう状況でとても大変であることは十分理解しているが、課題の連絡や郵送が遅かったり、オンライン授業を見る頃にはアップされた動画が消えていることもあり困った。
  • オンライン授業が通常授業と同等とは言い難い。強制ではなくとも長期休みにオンライン授業での振り返りや再度授業を行うなどの対策を取って欲しい。
  • e-Learningにしたら受講時間は任意、回数も制限なしで授業を受けられる形にして欲しい。