東京都では、都内で学ぶ外国人留学生の適正な学生生活を支援し、また違法活動等のトラブルに陥ることを防止する目的から、留学生が学ぶ教育機関の指導担当教員・職員を対象に、東京都の委託事業として留学生に関する相談窓口を公益社団法人東京都専修学校各種学校協会に開設しています。
留学生を指導する中で起こる様々な問題について、豊富な事例を基に解決に結びつくアドバイスをいたします。
電話や電子メールでの相談はもちろん、直接訪問による相談にも応じています。お気軽にご利用ください。
留学生の入学に関する問題や学校の対応に関するご相談の一例です。
現在在籍している留学生はいませんが、今後学校として留学生の募集を考えています。受入れに当たっては、留学生のために専任の職員を置くことが必ず必要なのでしょうか。
A1:留学生の受入れに関しては、当該校に外国人学生の生活指導を担当する常勤の教職員が置かれている場合のみ認められています。
文部科学省通知においても、学内でこうした体制を整えるよう繰り返し指導が行われていますので、留学生を受入れる際には生活指導を担当する常勤職員を置くことが、まず前提条件となります。
留学生の受入れを開始するにあたり、東京出入国在留管理局の申請取次機関として承認を受けたいのですが、どのような手続きが必要ですか。
A2:申請取次申出書に必要書類を添えて、地方出入国在留管理官署に申出を行います。必要な書類は在職証明書、経歴書、写真、留学生リスト、学校案内、申出書等です。
ただし、申出を行う前提として、承認を受けようとする職員が在留審査関係事務に精通していることが前提となります。
同事務に精通している職員であるか否かについては、出入国在留管理局または関係団体が実施した研修会・講習会に参加し且つ出入国管理行政に携わった経歴を有することが条件となっていますが、専門学校の場合は毎年、東京都専修学校各種学校協会が実施している留学生研修会に参加して修了書を取得すれば、上記の条件を満たすことができます。詳細は同協会:TEL:03-3378-9601までお問い合せ下さい。
海外の高校を卒業後に、本校(日本の専門学校)への入学を希望している外国人がいます。入学を許可するにあたり注意すべき事項を教えてください。
A3:専修学校専門課程(いわゆる専門学校)における留学生の選抜において注意すべき事項は、
(1)専門学校への入学資格
(2)日本語能力
(3)留学中の経費支弁能力
となります。
1)入学資格
次の場合に、専門学校への入学資格が認められます。履歴書、最終学歴の卒業証明書などにより確認します。
・外国において12年の教育課程を修了し、18歳以上の場合
・外国の教育制度が11年の場合、指定された準備教育課程を修了した場合
また、各専門学校における個別の入学審査により、高校を卒業した者に準ずる学力があると認めた者で、18歳以上である場合についても、入学を認めることができます。なお、個別の入学資格審査による認定は、入学者選抜とは別個のものです。個別の入学資格審査に当たっては、適切な審査体制を設けるとともに、個人の学習歴等を明らかにする書類等に基づいて行うなど、適切な審査方法によること、これらの審査体制、審査方法については、適切な方法により公表すること、専門学校の教育水準の低下を招くことのないよう十分配慮することについて留意が必要です。
2)日本語能力
日本語能力は、次の試験による証明が最も客観的です。また最近では、試験による証明に合わせ、海外からの直接受入れの場合でも、スカイプなどを活用し、面接試験を行っている学校もあります。
・日本語能力試験N1(1級)又はN2(2級)合格者
・日本留学試験(日本語(読解、聴解及び聴読解の合計))200点以上取得者
・BJTビジネス日本語能力テスト・JLRT聴読解テスト(筆記テスト)400点以上取得者
3)経費支弁能力
留学中に必要となる学費、生活費の支弁能力について確認します。送金による場合は、送金者の職業、勤務先、年収及び日本への留学を希望する外国人との関係などについて確認します。
Q3で入学を許可した外国人の入国手続きを教えてください。
A4:選抜の結果入学を許可した外国人が海外にいる場合は、ビザ取得のため、出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。交付された在留資格認定証明書は、速やかに入学を許可した外国人へ送付してください。外国人は母国の日本大使館(領事館)に在留資格認定証明書を提示し、ビザを申請します。ビザが発給された後に、日本における入国の申請が可能となります。なお、在留資格認定証明書、ビザともに有効期限があるので、注意が必要です。(在留資格認定証明書は、交付後3カ月以内に上陸申請しなければ失効)
在留資格認定証明書交付申請書は、法務省のウェブサイトからダウンロードできます。(日本への入国目的について「○勉学」を選択してください。)
在留資格認定証明書交付申請書
日本の高校を卒業後、本校(専門学校)に入学希望の外国人がいます。留学生に該当しますか。
A5:留学生とは、留学の在留資格で日本に在留している外国人のことです。外国人の現在の在留資格が留学であれば、専門学校においても留学生として受入れることになりますが、他の在留資格(永住者、定住者、日本人の配偶者等、家族滞在など)で在留しており、専門学校入学後もその在留資格の該当性がある場合には、あえて在留資格を留学に変更する必要はありません。従って各調査などにおいても、留学生として計上する必要はありません。
一方、現在は両親の赴任に帯同し、家族滞在で在留中だが、両親は赴任期間を終え帰国するものの、本人は日本に残り専門学校へ進学する場合は、家族滞在の在留資格の該当性は失われることから、専門学校は留学生として受入れることになり、家族滞在から留学への在留資格変更許可申請が必要となります。
観光ビザ(短期滞在)で来日中の外国人が出願して合格した場合、帰国せずに在留資格を留学に変更することはできますか。
A6:短期滞在の在留資格をもって在留する者の在留資格変更許可申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可されないことから、在留資格認定証明書の交付申請をしてください。(入管法第20条第3項)短期滞在の在留期間内に在留資格認定証明書が交付されなければ、本国において証明書の交付を待ち、母国の日本大使館(領事館)においてビザの発給を受けてから、再来日するように指導してください。なお、在留資格認定証明書の交付を待つために、短期滞在の在留期間を更新することは認められないことから、注意が必要です。
日本語学校に在学中の留学生から「母国で4年制の大学を卒業しているので、専門学校(2年課程)の2年次に編入学できるか」との問い合わせがありました。編入を認めることは可能でしょうか。
A7:専門学校の1年次で本来修得すべき内容が、母国の大学在籍時に履修していた科目や取得済みの単位で代替できるかどうかを個別に判断した上で、条件を満たしている場合は、各専門学校の判断により2年次に編入学させることが可能です。但し、本人に渡す合格通知書や入学許可証にはその旨を明記し、出入国在留管理局への報告時にも、当該学生が2年次編入であり、1年間で卒業することを伝えておいた方が良いでしょう。
海外からの入学希望者で、すでに日本語能力試験N2に合格し応募条件を満たしているので、直接専門学校を受験したいという者がいます。学校としてはこの入学希望者の出身国で入学試験を行っていないため、受験のために本人に来日してもらうことは可能ですか。また、入学式や卒業式に母国から両親を呼ぶケースも教えてください。
A8:受験を目的に来日するためには、「短期滞在」(在留期間は15日、30日、または90日)の入国ビザを申請する必要があります。(短期間の入国に関し、ビザが免除されている国・地域を除きます。)対象者の出身国の日本国大使館か総領事館でビザの申請手続きを行ってください。なお、親族が入学式や卒業式に出席する場合も手続きは同様です。
日本語学校からの4月入学予定者で、ちょうど3月初旬に在留期間が満了を迎え、在留期間更新申請の手続きを行いましたが、入学式の時期になってもまだ更新許可の連絡がありません。入学時点で「留学」の在留資格を交付されていなければ、入学を認めるべきではないのでしょうか。
A9:在留期間の満了の日までに在留期間更新許可申請等を行った場合において、その申請に対する処分が在留期間満了日までになされないときは、在留期間満了後も、申請に対する処分がなされる日又は従前の在留期間の満了日から2カ月を経過する日のいずれか早い日まで、引き続き日本に滞在することが可能ですので、在留期間の更新が認められるという仮定のもと、入学させることに問題はありません。しかし、何らかの理由により最終的に在留期間更新許可が認められなかった場合は、その時点で「帰国準備」を目的とした「特定活動」の在留資格に変更することになり、最終的には学校の責任において帰国指導をしなければならなくなります。また、特例期間(当初の在留期間の満了日から2カ月)が経過した後は、例外なく不法残留者として退去強制手続が開始されますので注意が必要です。
9月に大学を途中退学した留学生が、専門学校への入学を希望しています。本人の在留期間はまだ1年以上あるので、学校としても4月の入学を許可する予定です。現在10月で、本人はこのまま日本に残ることを希望しているのですが、問題はないでしょうか。
A10:2つの点で問題があります。第1に、本邦に在留する外国人は、現に有する入管法別表第1の在留資格に係わる活動を継続して3カ月以上行わない場合は、在留資格取消の対象になるという点です。このケースでは9月に大学を退学後、専門学校に入学する翌年4月まで、留学生として教育機関に所属し勉学を行う活動を3カ月以上行わないことになりますので、「留学」の在留資格が取り消される可能性があります。第2に、「留学」の在留資格を持ち日本に在留している外国人は、所属していた教育機関を退学・中退した場合、その時点から資格外活動を行うことが一切認められなくなるため、経済的に日本での生活を維持していけるのかという問題が生じます。
中国から日本の高校に留学し1年間学んだ留学生で、専門学校への入学を希望している者がいます。この学生は日本語の読み書きが出来ますが、日本語能力試験を受験していません。入学を認めることは可能ですか。
A11:日本語能力試験等を受験していなくても、日本の学校教育法一条に規定する学校(幼稚園を除く一条校)で1年以上の教育を受けた者について、受入れることは可能ですが、専門学校で学ぶための日本語能力の有無を確認することが望ましいでしょう。
日本語学校からの入学希望者に対し、経費支弁能力の裏付けを取るため本国からの送金記録を求めたところ「日本語学校の長期休暇で帰国するたびに、当面の留学費用や生活費を親族から現金で手渡され、日本に持ち込んでいたので、送金証明書等の書類が提出できない」と言っています。こういった場合は、どのように対応すべきですか。
A12:海外送金を裏付ける書類が出せない場合は、代替書類として
1.本人の預金通帳コピーや日本語学校在学時のアルバイト給与明細
2.本国の両親の所得が証明できる書類や納税証明書、銀行の預金残高証明書、企業等における役職等が明記された在籍証明書
3.自筆の経費支弁計画書
等の提出を求め、支弁能力を総合的にチェックする必要があります。もし入学後の学費や生活費の支弁能力に相当の疑問がある場合や、上記の提出書類を出し渋る学生に対しては、特に慎重な審査をすることが求められます。また日本入国時に持ち込む現金については、一定額を超えると税関での申告が必要となりますので、むやみに大金を持ち込まないよう指導しておく必要があるでしょう。そもそも経費支弁を証明する書類については、入学後の在留期間更新許可申請の際にも求められることがありますので、普段から公的な金融機関を利用して送金記録を残すよう、学生を指導しておくべきです。
現在、ワーキングホリデーで来日中の外国人が、専門学校への入学を希望しています。日本語能力試験N2に合格しており、まだ「特定活動」の在留期間が残っています。そのまま日本国内に残り、入学することは可能でしょうか。
A13:ワーキングホリデー制度は、日本が特定国・地域との間で行っている青少年交流プログラムであり、終了後は帰国するのが前提となっていますが、在留中に専門学校の入学試験に合格した場合は、専門学校の合格証書等、「留学」の在留資格取得に必要な書類を準備し在留資格変更許可申請を行うことが認められる場合があります。いずれにしても、在留期間内に在留資格変更許可申請が間に合わない場合は、いったん帰国してから改めて留学ビザの申請手続きを行うことになります。
最近、「永住者」や「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」といった、「留学」以外の在留資格を有する者が、専門学校入学に際して「留学」の在留資格でなければ奨学金を申請できないとの理由から、在留資格の変更を申し立てるケースが見受けられます。どう対応したら良いでしょうか。
A14:「留学」等の在留資格に比べると、「永住者」などの身分関係の在留資格は、日本での活動内容に制限が少ないこと、専門学校を卒業時点で前の安定した在留資格に戻れるという保証はないことを、きちんと説明する必要があります。これらのことを理解した上で、在留資格変更許可申請を行うかどうかについては、留学生の選択となります。
専門学校への入学を予定していた者が、在留資格申請の結果、不許可となりました。この学生はすでに入学金と授業料を支払い済みです。学校としては納付金をどこまで返還すべきでしょうか。
A15:入学前に入学を辞退した場合は、納付された授業料を全額返還することが文部科学省の通達で定められています。一般的に、日本人学生の場合は入学前までに入学を辞退した場合は入学金を除いた授業料を返還することとされていますが、外国人留学生の場合は日本における在留資格が取得出来なければ、入学すること自体が不可能となってしまいます。したがってこうしたケースでは、留学予定者に入学金と授業料の全額を返還している専門学校が多いようです。いずれにしても後でトラブルにならないよう、学費の返還規定を募集要項にしっかりと明記しておくことが重要となります。
在学中の留学生に関する問題や学校の対応に関するご相談の一例です。
留学生が休学した場合、在留期間更新許可は認められますか。また、進級の要件に達していない場合、留学生を留年させることは可能ですか。
A1:学校に休学の制度があり該当する場合、日本人と同様に休学を認めることに問題はありません。ただし、休学は外国人の在留管理として本来は想定されていない状態であり、復学後に在留期間の更新等が認められるかは個別の判断となります。休学が決まった時点で、本人が学校職員と同伴の上出入国在留管理局に出向き、休学の理由と今後の対応を相談するのが賢明です。
また、休学の場合はやむを得ない理由(日本でなければ病気が治療できない等)がある場合を除き、本国に一時帰国をしなければなりません。
留年についても、学校が認めた場合は可能となります。ただし、出席率が低い等の理由で留年する場合、在留期間更新許可申請が不許可となる可能性があります。
学業不振や経済的理由等により退学する留学生への対応を教えてください。
A2:いきなり除籍・退学処分とせず、まずは授業に引き戻すための指導を行ってください。指導を尽くしても登校しない、又は明らかに勉学意欲を失ってしまっている場合など、除籍・退学処分にせざるを得ない場合は、やむなく帰国指導をすることとなります。留学生は、日本で学ぶために在留が認められていますので、退学した場合は、新たな教育機関に在籍しない限り、留学の在留資格に該当しなくなります。退学後に、正当な理由なく3カ月以上留学の在留資格に応じた活動を行わずに在留している場合、在留資格取消しの対象となることから、他の在留資格への変更が認められる場合を除き、帰国しなければなりません。特に自主退学ではなく除籍処分になった留学生は、帰国することなくそのまま不法残留する恐れが比較的高いことから、帰国指導、帰国確認が特に重要となります。
帰国確認の方法としては、
・帰国前
帰国便の航空券(予約確認票)の確認(写しを保管)
・帰国後
・学校が母国へ電話連絡、又は留学生が学校へ電話連絡(連絡の事実を記録)
・出国、入国のスタンプが押されたパスポートのコピーをFAXさせる
などがあります。場合によっては、帰国時に空港まで同行して、出国を確認する学校もあります。また、出入国在留管理局への届出も忘れずに行ってください。
なお、帰国せずに、新たな学校へ進学又は日本の企業へ就職する場合については、新たな進学先、就職先を入学許可書や雇用契約書などで確認し、確実に進路を把握するとともに、在留期間更新許可申請(進学のケースで必要な場合)、在留資格変更許可申請(就職の場合)の手続を行うよう指導するようにしてください。
留学生から、本校を11月で退学し、来年の4月に大学に転校したいと相談されました。すでに大学の入学試験には合格しています。在留期限は来年3月までありますが、転校を認めてよいでしょうか。また、在留期間更新許可の問題についても教えてください。
A3:留学生の転校については、出入国在留管理局における在留期間更新許可申請の際に、転校を希望する合理的な理由や、他校で勉強を継続していく動機等の明確な説明が求められます。さらに、以前の在籍校における成績と出席状況が良好であることも必要です。このケースでは、11月に退学し、翌年4月に転校予定なので、退学から転校まで3カ月以上留学の在留資格に応じた活動を行わないことになり、在留資格取消しの対象となることから、基本的に認められません。また、退学から転校までの期間が3カ月以内でも、その期間の過ごし方について整合性のある説明ができない場合、在留期間更新許可申請が不許可となる可能性があります。転校先の大学に入学する直前までは、これまで在籍していた学校で勉強を継続するのが望ましく、留学の在留資格に応じた活動をしていない空白期間が生じないようにすることが肝心です。
入学したばかりの留学生が、日本での生活に不安があるため、在学期間中は両親と日本で一緒に暮らすことを希望していますが可能でしょうか。
A4:専修学校専門課程(専門学校)に在籍する留学生の配偶者か子女であれば、留学生に扶養能力があることを前提に、同居目的で日本に在留するための在留資格「家族滞在」を申請することが可能ですが、両親の場合等は「家族滞在」は認められていませんので、在学中の長期間に渡り両親と日本で同居することはできません。
留学生の両親の来日が可能なのは、短期の親族・知人訪問を目的に、在外公館に「短期滞在」ビザの申請を行う方法です。(短期間の入国に関し、ビザが免除されている国・地域を除きます。)この場合は、申請が許可されれば最長90日まで本邦での在留が認められますが、来日後の在留期間更新は不可となっていますので、90日以内に本国へ帰る必要があります。
留学生の資格外活動(アルバイト)について、注意点を教えてください。
A5:留学生は風俗営業(キャバレー、ナイトクラブ、パチンコ屋、テレホンクラブ等)でのアルバイトは認められていません。また、皿洗いなど風俗営業とは直接に関わらない業務であっても、これらの場所でアルバイトを行うことは認められていません。
アルバイトが認められる時間は週28時間以内(長期休業期間中は1日8時間以内)です。2カ所でアルバイトを行う場合は、2カ所のアルバイト時間の合計が規定の時間以下でなければなりません。また、長期休業期間中のアルバイト先及び勤務時間についても把握する必要があります。これらについては、学校で届出様式を定め、オリエンテーションや長期休業期間前のホームルーム等の時間を活用するなどして、定期的に確認し、情報を更新してください。
学校が把握すべきアルバイト先の情報としては、
・アルバイト先の名称、住所、電話番号(複数のアルバイト先があれば、全て把握)
・アルバイト先の責任者氏名
・アルバイトの内容、職種
・勤務曜日、勤務時間、1週間の勤務時間数(長期休業期間中は1日の勤務時間数)
なお、アルバイト先の雇用主は、必ずしも留学生のアルバイトに関する制約を知っているとは限らないことから、雇用主への周知の方法として、届出様式にアルバイト先の責任者の署名欄を設け、欄外に制約の内容(週28時間以内等)を記載しておくことで、責任者が署名をする際に必ず目に入るように工夫している学校もあります。また新宿外国人雇用支援・指導センターでは、留学生のアルバイト先の紹介を行っています。
新宿外国人雇用支援・指導センター
〒160-8489 新宿区歌舞伎町2-42-10 ハローワーク新宿(歌舞伎町庁舎)1階 TEL:03-3204-8609
資格外活動許可を取得した留学生のアルバイト先が変わりました。出入国在留管理局への再申請や届出が必要でしょうか。
A6:在留資格「留学」の資格外活動として認められている活動内容は、特定のアルバイト先等に限定されずに許可される「包括的許可」であることが一般的です。したがって留学生のアルバイト先が変更になっても、学校としてその都度届け出る必要はありません。
なお,平成19年10月1日から、すべての事業主の方には、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交・公用」の者を除く。)の雇入れ又は離職の際に、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務づけられています。これには留学生のアルバイトも含まれます。
外国人雇用状況の届出
留学生が企業でインターンシップを行う際に、一部報酬が支払われることになりました。資格外活動許可の申請が必要でしょうか。
A7:在留中の活動で報酬が発生する場合には、金額の大小に関わらず、資格外活動許可を受ける必要がありますが、留学生が既に資格外活動許可を受けており(包括許可)、インターンシップの活動が当該許可の範囲内であれば、あらたな資格外活動許可を受ける必要はありません。ただし、インターンシップに従事する時間が長期休業期間以外で1週につき28時間を超える場合は個別に許可を受ける必要があります。(個別許可)
個別に許可を受ける場合に必要な申請書類については以下を参照してください。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00003.html
在籍中の留学生が転居をするため、マンションの賃貸契約にあたり学校が保証人になることを求めてきました。どのように対応するべきですか。
A8:基本的には各学校の方針で、保証人(機関保証)を引き受けるか否かを判断することになります。なお、学校として機関保証が難しい場合、公益財団法人日本国際教育支援協会の留学生住宅総合補償制度を利用することも検討してください。これは保険料を支払うことにより、家賃の未払いや借用戸室の失火等、万が一の場合に補償金が支払われる制度となっており、学校が保証人を引き受けるリスクを軽減できます。
留学生住宅総合補償
在学中の留学生が、日本人と結婚するため、専門学校を退学することになりました。在留資格の変更等、どのようにアドバイスすれば良いでしょうか。
A9:「留学」から「日本人の配偶者等」へ在留資格の変更許可申請を行うことが必要です。なお、学校としては、本人の在留資格変更が許可されるまでは管理責任が生じますので、申請結果が出るまで本人と連絡を取り合い、変更の事実を最終的に確認することが求められます。
「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請に必要な書類については出入国在留管理局のホームページにアクセス下さい。
在留期間の最長期間が5年になりましたが、留学生も5年の在留期間が許可されるのでしょうか。また、今許可されている在留期間が自動的に更新されるということでしょうか。
A10:在留期間は在留資格別に定められており、在留資格「留学」の場合は、最長で4年3カ月と定められましたので、留学生が5年の在留期間を付与されることはありません。なお、現在許可されている在留期間が自動的に延長されることはなく、在留期間が満了となる前に必ず在留期間更新許可申請をしなければなりません。
留学生が現在持っている外国人登録証明書は、すぐに在留カードに換える必要はありますか。
A11:直ちに在留カードに切り替える必要はありません(希望する場合には切り替えることができます)。改正入管法の施行期日(平成24年7月9日)の時点において、新しい在留管理制度の対象者の方が外国人登録証明書を所持している場合は、一定の期間はその外国人登録証明書が在留カードとみなされます。永住者以外の方については、基本的に在留期間更新等の手続の際に在留カードが交付されることになります。
新しい在留管理制度では、留学生自身の変更点についてどのような時に届出をしなければならないのですか。また、それらの届出先はどこですか。
A12:次の場合に、変更があった日から14日以内に在留審査を行う最寄りの地方出入国在留管理官署や市区町村に届け出る必要があります。
留学生を受入れている専門学校は、どのような情報を出入国在留管理局に届け出る必要があるのですか。
A13:留学生の受入れを開始(入学・編入学等)又は終了(卒業・退学等)した場合は、14日以内に地方出入国在留管理官署に届け出る必要があります。
また、毎年5月1日と11月1日現在における留学生の受入れ状況を、それぞれ14日以内に地方出入国在留管理官署に届け出る必要があります。
みなし再入国許可制度の具体的な手続について教えてください。出国時に入国審査官にその旨を告げるだけでよいのですか。これまでの出入国手続との違いを教えてください。
A14:再入国用EDカードにみなし再入国許可の意思表示欄(「みなし再入国許可による出国を希望します。」)が設けられていますので、みなし再入国許可による出国を希望する場合、同欄にチェックすれば、これまでの出入国手続と同じように再入国することができるようになります。なお、有効な旅券(パスポート)及び在留カードを所持していない場合は、みなし再入国許可の対象となりません。
通常の再入国の許可はどのような場合にとる必要がありますか。また、再入国許可の有効期間は何年ですか。
A15:みなし再入国制度で再入国できるのは、出国から1年以内です。(在留期間の満了日が出国日から1年を経過する前に到来する場合には、在留期間の満了日まで)1年の期間を超えて出国する予定がある方は、これまでどおり再入国許可を受けて出国する必要があります。また、その場合の再入国許可の有効期間は、在留期限を超えない範囲となります。
留学生の卒業時や卒業後の進学・就職に関する問題や対応に関するご相談の一例です。
3月に卒業し母国に帰国予定の留学生が、2月20日に在留期限を迎えます。卒業式が3月10日に行われるのですが、在留資格上の手続きはどうすれば良いでしょうか。
A1:在留期限を迎える前に、帰国準備を目的とした在留資格「短期滞在」への在留資格変更許可申請を行ってください。
本校(専門学校)を卒業後、大学への進学を希望している留学生がいます。在留期限は卒業後までありますが、どのような点に注意すべきですか。
A2:進学にあたり本人の目的意識、経費支弁などについて把握する必要があります。次回の在留期間更新許可申請の際に、専門学校在籍時の成績・出席状況も審査の対象となることから、これらが悪いと、在留期間の更新が許可されない可能性がある点も注意すべきでしょう。
専門学校を卒業した留学生が就職可能な業種を教えてください。
A3:現在、専門学校を卒業した留学生が許可されている就労資格の代表は、「技術」及び「人文知識・国際業務」「介護」となっています。専門学校を卒業した留学生が就労の資格を許可されるための要件として、
・留学生が従事する業務が、技術又は人文知識・国際業務などの就労の在留資格に該当していること
・専門学校を卒業し専門士の称号を得ていること
・専門学校で学んだ内容と従事しようとする職務内容に関連性があること
日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けることがあり、これらをすべて満たす場合には、在留資格変更許可申請が認められる可能性があります。(当然、在学中の成績や出席状況も審査の対象となります)
そのほか、近年では特定の要件の下で「特定活動」として日本での就労・実習が認められている分野もあります。
日本の食文化海外普及人材育成事業
外国人美容師育成事業
また、2019年にはあらたな外国人材受け入れ制度として在留資格「特定技能」が創設されました。国内外で実施される測定試験を合格することが条件となりますが、専門学校で学んだ留学生が「特定技能」で就労しているケースも増えています。
4月から日本での就職が決まっている留学生がいます。在留資格変更許可申請はいつから可能ですか。
A4:地方出入国在留管理官署により異なりますが、東京出入国在留管理局の場合、卒業年度の12月1日から申請を受け付けています。年度末は窓口が込み合い、審査に時間がかかるケースがあること、また特例期間(在留期間の満了の日までに在留資格変更許可申請をした場合において、当初の在留期間の満了日から2カ月)経過後は不法残留となり、退去強制手続が開始されることから、早めに申請するように指導してください。
なお、申請時に必要な卒業証明書は、卒業見込証明書に代替できますが、許可の際には卒業証明書を持参するよう指示されます。
旅行会社の採用内定を得た留学生がいますが、最初の2年間は契約社員で、その後に正社員として採用する条件になっています。このような採用条件でも、就労を目的とした在留資格の申請は可能ですか。
A5:企業との間にしっかりとした雇用契約があり、書類として準備・提出できるのであれば、契約社員でも申請上の問題はありません。但し、その際には就労先の待遇が日本人と同等であること等、外国人が日本で働くための基本的な要件を満たしていることが求められます。
アニメ系の学科をもつ専門学校です。最近、入学希望の留学生から日本での就職の可能性について問い合わせが増えています。これまで同学科における留学生の就職実績は少ないのですが、同じ学科がある他校の話も総合すると、在留資格が下りるケース、下りないケース共にあるようです。同じ分野なのに何が違うのでしょうか。
A6:一口にアニメ系と言っても、例えば単純に漫画を描くだけの仕事なのか、あるいはソフトウェアのオペレーティングなどコンピュータ上の技術を駆使する仕事なのかによって違いますし、背景、彩色、制作進行など制作工程のどこに該当する業務なのかによっても判断基準は異なってきます。一般的に在留資格が「人文知識・国際業務」で許可されているケースでは、外国人的な感性や感覚が求められる職種であることが多く、「技術」の在留資格の場合は、専門学校で学んだ高度な専門技術を直接活かせる仕事という位置づけで認められている事例があります。
漫画を描く場合はゲーム会社やアニメ制作会社への就職希望が目立ちますが、これまでの事例ではアニメーター等の職種で企業から採用内定を得たものの、在留資格を許可されずに就職を断念したケースがある一方で、国内上場企業のグループ会社への就職案件では許可された事例もあります。
他の分野同様、就職先企業の規模や業務内容、本人の専攻との関連性も判断材料となりますが、アニメ系の場合は一般的に給与条件が厳しい職場が多い傾向にあるため、就職後、安定的に生活できるだけの収入が得られるかどうかも重要な指標となります。
美容系の学科を持つ専門学校です。留学生で在学中に美容師の国家資格に合格した者がいます。日本で就労または開業を希望しているのですが、可能でしょうか。また、メイクアップやネイリストの職種で日本企業に採用が内定した留学生がいますが、就労は許可されますか。
A7:いままでは国家資格である美容師免許を取得しても、就労を目的とした在留資格は許可されませんでしたが、外国人美容師の在留資格を認める、全国で初めての制度が東京都で始まりました。
これは、東京都が国家戦略特区を活用して日本の美容師養成施設を卒業して美容師免許を取得した外国人留学生に対し、美容師としての就労を目的とする在留を認めるもので、最大で5年間の就労が可能となります。
※詳細については下記にアクセスして下さい。
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/biyousiikusei.html
留学生でも「看護師」の国家資格を取得すれば、病院などに就職することができるようになったというニュースを聞きましたが、本当でしょうか?
A8:看護師についてはこれまでも日本の国家資格を取得すれば、日本での就労が認められていましたが、就労可能な期間が看護師免許を取得後7年以内に制限されるなど、様々な制約がありました。法務省では平成22年11月に出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(以下「上陸基準省令」といいます。)を改正し、看護師や歯科医師、保健師、助産師について、就労年数や活動地域における制限を撤廃し、これらの職種における国家資格を取得した外国人が日本で就労しやすくなるよう規制緩和を行いました。とはいえ、専門学校留学生の場合は在学中に国家試験に合格しなければならないため、ハードルは高く、まだ前例は少ないものの、海外から来日する留学生の中には母国で看護学校などに通っていた経歴を持つ者もいることから、今後は専門学校への「看護留学」から看護師の国家資格取得、さらには大学病院など日本の医療機関で就職といったキャリアパスが、日本留学の一つの選択肢となる可能性はあります。
卒業予定の留学生が日本での就職を希望していますが、卒業までに決まりそうにありません。卒業後も就職活動を継続するため、特定活動に在留資格変更許可申請をしますが、注意点を教えてください。
A9:修得内容が、技術や人文知識・国際業務の在留資格に該当する活動と関連があると認められる専門学校を卒業して、専門士の称号を取得した留学生が、在学中から行っていた就職活動を卒業後も継続して行う場合で、専門学校の推薦がある場合に、特定活動(継続就職活動)への在留資格変更許可申請が可能です。
留学生推薦のため、在学中の学習態度や出席状況、今までの就職活動の状況、目指す就職先(職務内容)の明確化、卒業後も就職活動に専念できる経済力等をしっかり確認する必要があります。また、卒業後も定期的に就職活動状況の報告を受け、留学生の現状を把握することが重要です。なお、継続就職活動中にアルバイトをする場合は、資格外活動の許可を受けなければなりません。卒業から1年未満であり、資格外活動等在留状況に問題のない場合は、1回に限り在留期間更新許可申請が可能です。
専門学校を3月に卒業後、継続就職活動を目的とした「特定活動」の在留資格を取得し、更に一度更新して、日本での就職活動を続けていた留学生が、10月時点である企業から採用内定をもらいました。ところがこの企業の入社時期は4月で、翌年の4月まではまだ半年も時間があります。現在留学生が有している「特定活動」の在留資格は3月まで残っているのですが、就職までは何ら届出などの手続きは必要ありませんか。またこの間、同留学生はアルバイトをすることも可能でしょうか。
A10:企業から採用内定を受けた後、入社時期まで3カ月以上のインターバルがある場合、同じ「特定活動」の在留資格で本邦に滞在することは可能ですが、在留目的が「就職活動」ではなくなるため、改めて内定後採用までの在留を目的とする「特定活動」へと在留資格変更許可申請を行う必要があります。このケースでは内定を出した企業側にも、一定期間ごとに本人と連絡を取ること、及び万一内定を取り消した場合は速やかに出入国在留管理局に連絡する等の義務が生じ、在留資格変更許可の申請時にはこれらを遵守する旨を明記した誓約書を提出しなければなりません。
内定後、採用までの在留を目的とする「特定活動」を申請する際には、下記の書類を提出します。
1.内定先企業から受け取った採用内定通知書等、内定の事実と内定日が確認できる資料
2.連絡義務等の遵守を記載した企業の誓約書
3.在留中の経費支弁能力を証明する書類
4.就労を目的とした在留資格への在留資格変更許可申請に必要な書類
5.その他(内定先企業の研修等の内容を確認できる資料、パスポート、在留カードなど)
なお上記のうち、4)については、新たな在留目的(内定後採用までの在留)の「特定活動」を申請するときに、前もって就職を前提とした在留資格変更許可申請の書類も併せて提出しますが、後日、就労を目的とした在留資格変更申請を正式に行う際にも改めて同じ書類を提出することになります。
また内定先へ入社するまでの在留期間は、別途、資格外活動許可を取得していれば、認められた範囲内でアルバイトをすることも可能です。
卒業を間近に控えた留学生で、継続就職活動を目的とした「特定活動」での在留を許可された者がいます。この留学生には、専門学校入学後に母国から呼び寄せた妻がいます。妻は「家族滞在」の在留期間がまだ残っていますが、夫の在留資格変更に伴い、家族滞在者の在留資格も変更する必要がありますか。またもし今後、本人が企業に採用内定し採用までの在留を目的とする「特定活動」に変更する場合も、あらためて妻の在留資格を変更する必要がありますか。
A11:どちらのケースも、本人の在留資格が「留学」から「特定活動」に変更となった時点で、現在「家族滞在」の身分で在留している配偶者や子女も「特定活動」へと在留資格変更許可申請を行う必要があります。これは就労を目的に本邦に滞在していた外国人が、自己の都合によらない理由で解雇、雇止め又は待機を通知され、就職活動を目的とした「特定活動」の在留資格へ変更許可を受けた場合も同様です。
上記いずれの場合でも、本人がその後就職・転職し、就労を目的とした在留資格を得た時点で、扶養を受けるその配偶者や子女は再び在留資格を「家族滞在」に変更申請することができます。
専門学校を卒業した留学生OBで、卒業後に家庭の事情でいったん帰国した後、再び来日し日本での就労を希望している者がいます(母国における最終学歴は高卒)。本人は日本の専門学校を卒業時点で「専門士」を取得しており、また再来日後の雇用予定先も内定しているのですが、こういった場合に日本での就労は認められないのでしょうか。
A12:こうしたケースでは、就労を目的とした在留資格の申請を行い、許可された場合、再び来日することが可能となりました。従来までは「専門士」を取得後、引き続き日本に在留していることが在留資格変更の許可要件とされており、日本の専門学校を卒業後いったん帰国した場合には、本国で大学卒の学歴を有していなければ本邦の上陸基準を満たすことができず、再来日・就職の道は閉ざされていました。法務省では平成23年7月1日に上陸基準省令の改正と新たな告示(同日施行)を行い、専修学校専門課程(専門学校)を修了したことをもって来日条件を満たすよう上陸許可基準を緩和するとともに、「人文知識・国際業務」、「技術」等、就職を目的とした在留資格を得るための学歴要件に「専門士」「高度専門士」の称号が初めて明記されました。
したがって、専門学校を卒業後、いったん帰国した元留学生でも、卒業時に「専門士」か「高度専門士」の称号を得ており、日本企業等から採用された場合には、再来日し日本で学んだ経験や知識を活かして活躍するチャンスが生まれたことになります。