専門学校の基礎知識02
職業実践専門課程とは?
専門学校の学科のうち、文部科学大臣が認定する学科です。
専門学校は所在地の都道府県知事の認可を得て設置されています。
そのうち、「企業等との組織的連携のもとに教育が行われている」等のいくつかの要件を満たし、学校が申請を行った学科について、文部科学大臣が「職業実践専門課程」の認定を行っています。
- 修業年限が2年以上
- 総授業時数が1,700単位時間以上または総単位数が62単位以上
- 企業等と連携体制を確保して、授業科目等の教育課程を編成
- 企業等と連携して、演習・実習等を実施
- 企業等と連携して、教員に対し実務に関する研修を組織的に実施
- 企業等と連携して、学校関係者評価と情報公開を実施※
- 教育活動等に関する積極的な情報提供
- ※ 従来から専門学校に義務づけられている「自己点検・評価」とともに、企業関係者らが委員として参加する「学校関係者による学校評価」を行い、その結果をホームぺージなどで公表するなど、学校に対しては一層の情報公開が求められています。
- ※ 認定された学科名が、その後変更になる場合もあります。
専門学校の「自己点検・評価」と「第三者評価」
専門学校では大学と同じように「自己点検・評価」が義務づけられ、「学校関係者評価」についても積極的に取り組むよう努力義務とされています。現在、専門学校の「第三者評価」を行っているのが「私立専門学校等評価研究機構」。また、第三者評価は任意で取り組んでいます。機構では「専門学校等評価基準」を策定し、各学校での「自己点検・評価」を推進すると共に、業界関係者や有識者など外部のメンバーも加えた評価者により「第三者評価」を実施しています。
職業実践専門課程の大学版といえるのが専門職大学と専門職短期大学
高校新卒者の大学進学率が50%を超える中で、大学教育は職業人材育成という面で産業界の期待に応えられているのかとの声は以前からありました。日本の高等教育における職業教育制度については、諸外国に比べて制度的に不十分という指摘もあり、国際社会に後れを取らないためにも国家戦略的な改革が必要との見方が強まっていました。
そんな中で2019年に新たな高等教育機関として誕生したのが専門職大学と専門職短期大学の制度です。専門分野を学究的に学ぶ大学教育と、実践的な技能を修得する専門学校双方の特徴を併せ持つ職業教育機関です。専門学校の職業実践専門課程と同様に、カリキュラム編成や実習・実技授業の実施等、教育運営全般に企業との連携が求められます。
制度5年目となる2023年4月には、全国で専門職大学19校、専門職短期大学3校、さらに既存の大学内に専門職学科1学科が展開されています。専門学校運営の実績をもとに専門職大学・専門職短期大学を設置した学校法人も多く、専門分野はIT、ファッション、リハビリ医療、動物看護、観光、芸術文化、アニメ・マンガ、フードサービスなど多岐にわたります。今後、産業界と連携した特徴あるカリキュラムの成果に期待と注目が集まっています。