具体的な目標を設定し、徹底して勉強に打ち込み、合格を勝ち取りました
公認会計士は会計監査、財務、経理など幅広い業務をこなします。そのうち企業の会計監査業務は公認会計士だけが行える独占的業務。最近では会計に関する助言や立案、経営戦略などのコンサルティング業務の占める割合も高くなっています。合格率は常に10%を切る最も難しい試験の一つです。
私はプロ野球選手を目指して、高校時代まで野球一筋の生活をしていました。その実現が難しくなったとき、簿記の先生が「会計は企業の血液。会計を知っていれば、どこにいても食っていける」と話してくれたことをきっかけに、公認会計士になろうと決めました。
進学先に大学は考えず、ゼミ学習方式で定評のある専門学校の4年制の学科に入学。3年後の21歳で合格することを目標にかかげ、そのために入学から半年後に日商簿記1級・全経簿記上級に合格、2年後に短答式模擬問題で合格点の実力を養成、3年後に合格という計画を立てました。1科目の学習を3時間程度で終わらせ、それを1日3科目、計算科目1つと理論科目2つをこなしました。
専門学校のゼミ学習は、6人程度のグループ(ゼミ)に分かれて授業を行います。先生の講義を聞くのは他の授業と同じですが、その後、演習問題を個人で解いた後、ゼミの仲間と質問やディスカッションをしながら演習の解答を探ります。人の話を聞く、説明するといった繰り返しのなかで知識が深まり、協議して結論を導く作業は、社会に出てから大いに役立ちました。授業以外では、通学に片道2時間かかった私は、電車内が格好の勉強場所になりました。時間を無駄にしないよう、必ず参考書や資料を読んでいました。また勉強は学校で使用するテキストや資料だけでなく、司法試験の法律問題集や会計書籍にも目を通し、プラスαの知識をつける努力もしました。反面、休むときは勉強のことを忘れて、思いっきり遊んでリフレッシュ。まとまった休みには肉体労働系のバイトをして、ストレスを発散させるなど、メリハリをつけた環境をつくるように心がけました。
実際、専門学校3年目の試験で合格は難しく、4年目に短答式、論文式の試験に合格することができました。再挑戦してダメなら一般企業への就職を考えており、合格をしたときは言葉には言い表せない達成感がありました。あとで振り返っても、まさに私の人生のターニングポイントだったいえます。