今や高校から大学への進学率は全国で52.9%、東京都では65.1%にも上ります(令和3年度学校基本調査)。都内では3人に2人が大学に進学する時代。でもちょっと待ってください。その選択は本当に正しいのでしょうか?
大学や専門学校といった高等教育機関は、多くの若者にとって、実社会との“架け橋”となる学校教育の場。うまく橋がかからなければ職業人生のスタートは厳しいものになるでしょう。一方で、経済の低迷による大学生の就職率低下が底を打ち、回復傾向になってはいるものの、現場では雇用のミスマッチが問題になっています。本人が働きたい会社と、会社が求める人材像がズレていることから起こる、採用見送り・早期離職などの不幸な関係です。国の就職率統計によると、雇用のミスマッチが最も起きているのが私立文系。「やりたいことがないからとりあえず大学へ」という層が就職戦線や、その後のスタートでつまずきがちなのです。
高校3年の進路選択時、子どものタイプは大まかに2つに分かれます。ひとつはやりたい仕事や自分の将来像を、ぼんやりとでも持っている子。もうひとつは、将来像もなく、やりたい仕事自体もわからないというタイプです。どちらにしても、保護者のサポートとしては、まず子どもの話をしっかりと最後まで聞いてあげることが大切です。
その上で適切なアドバイスができれば理想ですが、残念ながら自らの経験に照らした忠告は効果ナシと心得てください。なぜならこの20年、日本の経済状況も社会構造も、さらには職業のありかたも様変わりしたからです。公務員や大手企業でも安泰とは限らない。逆に新しく生まれた職業が有望株だったりします。
大学にしろ、有名大学でも退学率が驚くほど高いところがある一方で、小さな新しい学校には学生の面倒見が良く子どもの成長ぶりが目立つところも。では親ができることは?それはひとつの尺度を示すことではないでしょうか。